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春潮の寄せる入り江のレストラン「岬の陰が三号機だよ」 #tanka #jtanka

春潮の寄せる入り江のレストラン「岬の陰が三号機だよ」  加藤宙

上句から春のうららかな日にドライブをして景色の良いレストランに立ち寄った情景を思い描いた。ところが、下句の「三号機だよ」から福島原発の三号機のことを詠んだと判り一瞬虚をつかれた。八年経っても、原発の撤去作業はまだまだ準備段階でこれからの長い年月を考えるとやりきれない。その思いがさりげない会話で表現されていてより一層深刻さが伝わってくる。三句の体言止めも効いている。
   
 「六月号山下泉選歌欄評」 上杉憲一

○ありがとうございました。

りんご2

親子で考える道徳9 あなたって、いつも~固定観念

あなたって、いつも~固定観念

めはみえる
うまれたときから 
でも みることは
みえることとはちがう
みることは また だれかのつばさをかりて とぶこと
― のってごらん とんぼに
あなたもめを あるかせるんだ。
 みることで みえるものを じぶんのものにしよう。
      『めであるく』(マーシャ・ブラウン 佑学社)

 同じ道を歩いてきたのに、きれいに咲いていた花を見た人と見なかった人がいます。林の中にいても、鳥の声が聞こえる人もいればそうでない人もいます。一秒間に十万ビットといわれる情報は、それを受ける人の「問題意識」の有無によって情報になったりならなかったりします。私たちの目は「偏見」で曇っているのです。我執や先入観によって見えているものを見えなくし、見えていないものまでみてしまうのです。恋は盲目、あばたもえくぼ・・・
 我執や偏見、自分の立場にこだわった見方―この固定観念を打ち破ってものやことを見ることは簡単なことではありません。自分の狭い見方を打ち破る一つの方法が「だれかのつばさをかりて とぶこと」なのだと思います。「だれかのつばさをかりる」とは、違う立場の人の視点に立つということ、「もし私が~だったら」と考えることなのです。
 子どもたちはさまざまな悩みを抱えながら、日々成長してゆきます。目の前にいる子どもは、昨日までの子どもと違うのです。でも、なかなかそうは見えません。
何とかこの子の成長を支援したい、一緒に歩んであげたいと言いながらも、「まったく、あなたって、いつもおなじことばっかり・・・・」と、つい言ってしまいがちです。その固定観念が、子どもが発するさまざまな情報を、正しくキャッチできなくしているのです。早い時期から「この子はこういう子」と、先入観や偏見で決め付けてしまえば、子どもからの情報を正しく受け取ることができなくなってしまいます。
 もし私が、この子だったら、もし私がこの子のおばあちゃんだった、パパだったら・・・、そう考えることによって、新たなものの見方ができます。単眼ではなく複眼でものやことが見られるようになります。自らの固定観念にとらわれず、より広いものの見方・考え方を身につけ、目の前の子どもの向き合いたいものです。

見上げれば109のロゴのなしてふてふ一つよぎりていける #tanka #jtanka


見上げれば109のロゴのなしてふてふ一つよぎりていける 加藤宙

渋谷の交差点の風景だろう。「109」のネオンは渋谷スクランブル交差点のシンボルのようにテレビなどにも映し出されてきたが二○一九年四月に一新された。下の句からは、時代の移りかわり、夥しい人波への揶揄、異様なまでに早く流れてしまう時間への抵抗などが感じられる。
        「塔」八月号 江戸雪・選

○ありがとうございました。

震へつつ死ぬのか我も一月の銀杏の梢に啼く虎落笛 #tanka #塔

震へつつ死ぬのか我も一月の銀杏の梢に啼く虎落笛  加藤宙

中井 初句二句が強烈です。「自分も震えながら死んでしまうのか」という感覚は感覚はどこから来るのか、例えば作者の身近にご病気などでつらい思いをされて亡くなった方がおられるのでしょうか。それとも作者にとっての普遍的な死のイメージ?冬の銀杏
の梢が空高く鳴っている風景の中で。突如そういう思いがわき起こった様子がひしひしと伝わってきます。
糀沢 風景だけでなく、「虎が落ちる」と書く虎落笛の漢字の印象からも、その景色を目の前にして作者が上句の思いを感じ取った
ことが伝わってきます。「自分も震えながら死んでしまうのか」、ここで重ね合わせている震えは銀杏と虎落笛の両者のように思っ
たのですが、見た目からも音からも震えを感じ取っているところに惹かれます。
中井 確かに音も震えるようになりますね。虎落笛という言葉、本当に漢字のインパクトも強くて、体言止めが効いています。

    「塔」四月号作品合評
              糀沢 知世
              中井スピカ
○ありがとうございました。


親子で考える道徳8 名付けられた朝顔 #道徳

名付けられた朝顔~命を育てる

あいちゃんとマー君はお隣同士。二人のお母さんも仲良しで、花を育てるのが大好き。
あいちゃんとマー君も、お母さんたちと一緒に朝顔を咲かせることにしました。
お母さんからもらった青いプラスティックの花鉢に、それぞれ数個の種をまきました。

しばらくたった朝のことです。マー君の家からお母さんの大きな声が聞こえてきました。
「マー君、朝顔にお水あげてないでしょ。もう、葉っぱが出てきているわよ。」
マー君は、聞いているのかいないのか、部屋から出てきません。
仕方なくお母さんは、いつものようにマー君の朝顔に水をあげました。
「まったく、家の子ったらすぐに忘れてしまうのだから。」

お隣の庭にあいちゃんの姿が見えました。
あいちゃんは小さなじょろを使い、何かを話しながら、朝顔に水をあげています。
「おはようございます」
あいちゃんのお母さんがマー君のお母さんに声を掛けました。
「おはようございます。あいちゃんは植物が好きね。
 うちのマー君たら、あんなに朝顔に水をあげることを約束したのに、
 ほんとうに忘れてばかり。あいちゃんはお利口だから、言われなくてもお水をあげているみたいね。」

あいちゃんのお母さんが答えます。
「家の子はね、種をまくときに、朝顔に名前を付けたのよ。
 ほら、犬にも猫にも、金魚にだって名前を付けたりするでしょう。
 だからね、名前を付けたらといってみたの。そうしたら、名前を付けたのよ。
 ナナちゃんてね。どうしてって聞いたら、ナナという名前が好きだし、大きな花が七つ咲いてほしいからだって。
 朝起きると、私が何を言わなくても、すぐにナナちゃんに挨拶に行くの。
 何か話をしながら、水をあげてるみたいよ。」

あいちゃんの声が聞こえてきました。
「ナナちゃん、早く大きくなってね。」
あいちゃんの花鉢には、赤いクレヨンで「ナナ」と書かれた名札が立っています。
プロフィール

加藤 宙

Author:加藤 宙
俳句や短歌,日々の思い等をつぶやきます。絵本を好んで読み、「幸福とは何か」「わかるとは何か」「祈りとは」などについて考えています。日が暮れる頃、美味しい肴で至福の時を迎えます。「塔」短歌会。

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